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A.ランゲ&ゾーネはブランド設立30周年とダトグラフの25周年を祝うイベントをスタートさせた。

125本限定のホワイトゴールド製ダトグラフ・アップ / ダウン “ルーメン”のリミテッドエディションと、50本限定のダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”だ。そして今日、ランゲはダトグラフの祝賀をまだ終わらせていないことを示すべく、イエローゴールド製のまったく新しいダトグラフ・ハンドヴェルクスクンストを発表した。通常は“我々の考え”のパートまではリアクションを控えるべきだが、これは本当に素晴らしいものだ。

Datograph Handwerkskunst
1815 tourbillon
1815トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”

1815 Handwerkskunst
1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー “ハンドヴェルクスクンスト”

オーデマ・ピゲ スーパーコピー代引きハンドヴェルクスクンストシリーズは、グラスヒュッテを拠点とするこのブランドが誇る最高かつ複雑な手仕上げと彫刻技術を際立たせてきた、ランゲのフラッグシップコレクションである。2011年に初登場を果たし、1815トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”や、星空のように幻想的な1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー “ハンドヴェルクスクンスト”など、少数限定のエディションがいくつも発表されている。特徴的なサファイアダイヤルと全面夜光のエレメントを備えたルーメンシリーズとは異なり、ハンドヴェルクスクンストシリーズは特定の美学に固執しない。しかし私にとって最も印象的なのはトレンブラージュ装飾が施されたレリーフダイヤルを持つエディションである。

 この新作でランゲはダトグラフの深い歴史に敬意を表し、視覚的に最大限の魅力を持たせた時計をつくり上げた。この新作は現行のアップ/ダウンモデルと同じ41mmのケースを採用しており、YG製のメインダイヤルには複雑なトレンブラージュ装飾が施されている。またメインダイヤルにはブラックロジウム仕上げが施されているほか、ライトグレーのロジウム仕上げがされたインダイヤルも特徴的だ。その結果、通常はダイヤルにプリントされる要素がすべてソリッドなYGダイヤルの一部としてレリーフ状に彫刻されており、ほかの部分に施された手彫りのトレンブラージュ装飾と対比をなしている。

handwerkskunst up close
ローマ数字やアワーインデックスは植字されているが、タキメーターやミニッツトラックといった要素は、実際にはソリッドなYGダイヤルの一部として浮き彫り状になっている。

 この立体的なダイヤルのテクスチャを実現するために、彫刻師は特別に作られたビュラン(刃先が鋭くとがった工具)を使用して、ほかのすべての要素を保ちながらも細かい粒状のコントラストをつくり出した。近くで見ると、特にA.ランゲ&ゾーネのロゴ、ミニッツ&セコンドの目盛り、タキメータースケールのような微細なサイズと角度を持つ要素をレリーフ状に保ちながら、その鋭さを損なわないようにすることはまさに芸術的な偉業である。最後に、面取りとストレートグレイン仕上げを施したあと、インデックスとローマ数字がダイヤルに植字される。

 ダイヤルの装飾が注目されるが、もうひとつ重要なのは今回の新作がオリジナルの39mmダトグラフ 403.041(通称“イエロージャケット”)以外で、ごく少数ではあるがYGを使用したダトグラフが久々に登場したことだ。ただその時計でさえもランゲのカタログには正式には掲載されなかったため、存在自体が少し謎めいており、今回の新作と同様に非常に限られた数しか生産されていないと噂されている。この時計がイエロージャケットの存在を暗黙的に認めるものなのか? ランゲはこの点について明確には触れていないが、この新作が熱心なコレクターに向けたさりげないメッセージのようにも思える。

Phillips: Yellowjacket
オリジナルの403.041 “イエロージャケット”。Image: courtesy of Phillips

Handwerkskunst
新しいダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト。類似点がお分かりになるだろうか?

 本作はダトグラフ アップ/ダウンと同じケースを使用しているが、実際にはアップ/ダウンモデルではない点にも注目して欲しい。2時、6時、10時位置にローマ数字が配置されており、通常6時位置に見られるアップ/ダウンのパワーリザーブインジケーターが取り除かれていることから、このモデルが1999年に発表された初代クロノグラフへのオマージュであると示していると言える。

 時計を裏返すと、手巻きクロノグラフムーブメントであるL951.8のメカニカルな美しさが広がる。このムーブメントはHODINKEEでも何度も取り上げてきたが、今回のバージョンが特別なのは、ハンドヴェルクスクンストの原則を継承している点だ。視覚的に最も注目すべきは、ジャーマンシルバー製のムーブメントプレートに施されたフロスト仕上げであり、これは過去のハンドヴェルクスクンストやF.A.ランゲへのオマージュ作品でも多くに見られた特徴である。

caseback of the watch
 今回は、クロノグラフのレバーすべてに手作業でブラックポリッシュ仕上げが施されている。そのため特定の角度ではポリッシュ仕上げされたパーツが真っ黒に見える。これまでのフロスト仕上げのムーブメントでは、レバーの上部は通常サテン仕上げが施されていたが、このミラーポリッシュ仕上げによりムーブメント内部に鮮やかなコントラストが生まれることは間違いない。

 最後に、すべてのランゲの時計に見られる手彫りのテンプ受けにもハンドヴェルクスクンストなりにひねりが加えられている。ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンストのテンプ受けにはレリーフ彫刻でツタの模様が施されており、これまでの多くの彫刻に見られたフローラルモチーフに遊び心を加えたものとなっている。

caseback shot
このツタのモチーフは、レリーフ彫刻として施されている。

movement bridge up close
フロスト仕上げのプレートとブラックポリッシュ仕上げのレバーのコントラストが際立っている。

 A.ランゲ&ゾーネのダトグラフ・ハンドヴェルクスクンストは25本限定で生産され、すべてA.ランゲ&ゾーネのブティックでのみ販売される。

我々の考え
まだお気づきでない方もいるかもしれないが、私はこの時計を本当に驚くほど美しいと思っている。この意見には多くの読者も同意してくれるのではないだろうか。ランゲのハンドヴェルクスクンストモデルは、まさに見る者にとって特別なものであり、限られた少数のコレクターにしか手に入らない運命にあるが、このシリーズはブランドの技術力を象徴するフラッグシップとして大好きなコレクションなのだ。

caseback up close side view
 ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンストは、ドイツ特有の厳格さを最高の形で保ちつつ、その見せ方において驚くほど劇的な要素を兼ね備えている。まさにランゲらしい時計だ。これまでに何度か、ブランドのトレンブラージュ彫刻が施されたレリーフダイヤルを見る機会に恵まれたが、そのたびに感動を覚えた。職人がこれだけの立体的な要素を持つダイヤルを、ひとつも傷つけることなく仕上げるなんて本当に信じられない。だからこそ、私はグラスヒュッテでこれらの時計に携わることなく、キーボードを叩いているのだろう。

 この新作は、Watches & Wondersで発表されたふたつの新作を凌ぐかのように、熱心なコレクターのためのものに感じられる。ある意味ではオリジナルのダトグラフを完全に現代風に再解釈したものであり、この時計こそがオリジナルを真に祝うものとして最も近い存在だと言える。

 YGのダトグラフというだけで魅了されるが、そこにハンドヴェルクスクンストの装飾が加わることで、その魅力はさらに高まっている。25本限定のリリースであることを考えると、新作は即完売してしまうだろう。ランゲは価格を“要問い合わせ”としているが、昨年のスペシャルエディションの価格を考えると、この時計の価格も相当なものになるだろう。もし究極のダトグラフを求め、そしてお金に糸目をつけないなら、この時計がその答えかもしれない。

基本情報
ブランド: A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)
モデル名: ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト(Datograph Handwerkskunst)
型番: 405.048F

直径: 41mm
厚さ: 13.1mm
ケース素材: 750イエローゴールド
文字盤: 750YG、トレンブラージュ彫刻を施したメインダイヤルにブラックロジウム仕上げ&インダイヤルにグレーロジウム仕上げ
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: 手縫いのダークブラウンアリゲーターストラップ、YG製ディプロワイヤントクラスプ

ムーブメント情報
キャリバー: L951.8
機能: 時・分・スモールセコンド、アウトサイズデイト表示、クロノグラフ
直径: 30.6mm
厚さ: 7.9mm
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時(2.5 Hz)
石数: 43
追加情報: フロスト仕上げのムーブメントプレート、ブラックポリッシュ仕上げのレバー、ツタのモチーフがレリーフ彫刻された手彫りのテンプ受け

ブランドらしさを余すところなく表現した新モデルをGeneva Watch Days 2025を皮切りに発表した。

ローラン・フェリエを知っている人ならクラシック マイクロローターもよくご存じのはずだ。これは革新的な時計技術と最高級の仕上げを兼ね備えている。過去数年間におけるブランドのリリースを振り返ると、一体型ブレスレットを備えたスポーツ オートに明確な重点が置かれており、ブランドのデザイン言語を新たな時計カテゴリーへと見事に拡大している。

本日発表されたローラン・フェリエのクラシック オートは、クラシック マイクロローターとスポーツ オートを見事に融合させたモデルだ。その結果は驚くほど調和している。ケースのシェイプ、針、ダイヤルのインデックスはクラシック マイクロローターからインスピレーションを受けており、一方でムーブメントや十字ダイヤルのディテール、そして日付表示窓はスポーツ オートから受け継がれている。すべてが一体となって、ブランドが理想とする日常使いに最適な時計が完成したのだ。

リシャール ミル スーパーコピー代引き初代クラシック オートにおいて、ローラン・フェリエはヴィンテージウォッチの温かみあるトーンを意識したサーモンカラーダイヤルを採用した。中央部分はバーティカルサテン仕上げが施され、外周のミニッツトラックには円形のサテン仕上げを採用。絶妙なツートンの外観が特徴だ。細長く緩やかに傾斜した日付表示窓は、視線を自然に引き寄せるとともに、細長いインデックスとの対称性を保つ役割を果たしている。アセガイ型の針とドロップ型のインデックスはどちらも18Kホワイトゴールドで仕上げられ、手首の印象を引き締めてくれる。ケースはステンレススティール製で、直径40mm、厚さ11.94mmとバランスの取れたプロポーションを持つ。

クラシック オートにはローラン・フェリエの自動巻きCal.LF270.01が搭載されている。同ムーブメントは以前スポーツケースにのみ搭載されていたもので、設計、装飾、組み立て、調整はすべてブランドの工房で行われている。なおローラン・フェリエの特徴であるナチュラル脱進機ではなく、耐衝撃性を考慮してスイスレバー脱進機が採用。Cal.LF270.01は、139もの手作業による仕上げ工程を経てひとつのムーブメントが完成する。これらの精緻な仕上げはシースルーバック越しに鑑賞可能だ。プラチナ製のマイクロローターは、フルに巻き上げると約72時間のパワーリザーブを確保できる。

クラシック オート サンドストーンは、ローラン・フェリエの“セリエ アトリエ”プログラムの一環として提供されている。このプログラムは限定20本のナンバリングされたモデルが、5万スイスフラン(日本円で約855万円)の価格でブランドから直接販売される。これにより、コレクターは通常よりも短い納期で手に入れることができるのだ。このセリエ アトリエプログラムは2020年から実施されており、これまでの限定生産品はすべて完売している。

我々の考え
2009年の創業直後、ローラン・フェリエは時計業界の寵児となった。若いブランドでありながら、2010年にはクラシック トゥールビヨン ダブルスパイラルでGPHG(ジュネーブ時計グランプリ)のベストメンズウォッチ賞を受賞し、一躍注目を浴びた。その後、ローラン・フェリエはクラシックなシェイプをもとに、さまざまな複雑機構やダイヤルカラーを取り入れたモデルを発表し、ファンを獲得していった。しかしある時期から時計業界はほかに目を向けるようになり、ローラン・フェリエにスポットライトが当たることはなくなった。それでもローラン・フェリエは歩みを止めなかった。ブランドは卓越した仕上げと伝統的なデザインを追求し続けたのである。

現実として、クラシックなデザインと仕上げを持つ腕時計がこの価格帯で提供されると、やがて飽和状態に達することがある。ローラン・フェリエにも同様の状況が起きたのだ。洗練されたクラシックなデザインを守り続ける姿勢は、一体型ブレスレットのスポーツウォッチといったトレンドへの挑戦に際して、注目を集めることもあれば逆に関心が薄れることもある。コレクターの好みがそのブランドのデザインに合っているときは順調だが、スポーツウォッチが流行しているときにはローラン・フェリエのようなブランドが優先されないこともある。これは当然のことだ。

私はこのブランドの大ファンであり、ローラン・フェリエへの注目が再び高まっているのを実感している。全体的な流れで見ると、時代の流れがローラン・フェリエに向かっており、タイムレスなデザインや全体的な“ドレス”の美学に焦点が当たっているようだ。もしブランドが今日のクラシック オート サンドストーンやWatches & Wonders 2024で発表したクラシック ムーンのような素晴らしい製品を作り続けることができれば、ローラン・フェリエは“復活”への道を順調に進むだろう。新作は美しく魅力的であり、ローラン・フェリエのデザインを少しアレンジしながらも、コレクターが期待する要素をしっかりと提供している。

現在のローラン・フェリエにはまさに、“まず先につくれば、そのあとで客が来るだろう”という状況が訪れている。注目に値する瞬間だ。

基本情報
ブランド: ローラン・フェリエ(Laurent Ferrier)
モデル名: クラシック オート サンドストーン(Classic Auto Sandstone)
型番: LCF046.AC.B2G1

直径: 40mm
厚さ: 11.94mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: 銅色調のラッカー仕上げ
インデックス: 18Kホワイトゴールド
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ダークブラウンのカーフレザー、同色系のアルカンターラライニング

a laurent ferrier
ムーブメント情報
キャリバー: LF270.01
機能: 時・分・スモールセコンド、日付表示
直径: 31.6mm
厚さ: 4.85mm
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31
部品点数: 215

価格 & 発売時期
価格: 5万スイスフラン(日本円で約855万円)
発売時期: すぐに
限定: あり、世界限定20本